つれづれ日記 −  あおむし日記6:あおむしくんの旅立ち [96/09/13]

それはバジル害虫撲滅作戦を成功裡に遂行した次の日、月曜日のことでした。 朝からマックに向かって仕事をしていたので、息抜きに洗濯物でも たたもうかと居間のあたりでばたばたしている時、ベランダでひらひら舞う アゲハ蝶を見かけたのです。

「あれ? また卵を産みに来たのかな? もうパセリはないのに…、 もしかしてバジルを狙っているんじゃ!?」

と思ったような覚えはあるんだけれど、特にそれほど気にせず 用事に追われて一日を過ごしたのでした。

そして火曜日の朝、寝ぼけまなこをこすりながら、「ひまわり、見なくちゃ」 とテレビをつけ、ソファーに座り、なにげなくベランダの植物たちを 眺めていたとき、見つけてしまったのです。あおむしくんの痕跡を…

そう、抜け殻になったさなぎがそこにあったのです。

いつからそこにあったのでしょう?

枯れかけの“おかめつた”の枝に 葉っぱと同じような色をしてくっついているのです。毎日、毎日、 すぐ横においてあるバジルに水をやっていたにも関わらず、私は 全然気がつかないで過ごしてきてしまったのです。なんということでしょう。 ベランダの隅にいるかもしれないと思ってエアコンの室外機の下や 後ろは探したのに、目の前のおかめツタの枝を見たことがなかったなんて。

あおむしくんは、ずっとそこで蝶になる日を待っていたのでしょうか?
私が気がつくのを待っていたのでしょうか?

そして、私がちっとも気がつかないのに業を煮やして、月曜日、 ひらひらと飛んでいってしまったのでしょうか!?

あんなに「あおむし、あおむし」と騒いでいたのに、さなぎに気がつか なかった自分は情けないけれど、最後に一瞬でもあおむしくんの立派な姿を 見ることができたんだなぁ、と、なんだか複雑な気持ちで“抜け殻”に なったさなぎを毎朝眺めるのです。

※あおむし日記1〜5を読んでいない方はこちら

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